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How Language Shapes the Brain
よく左脳は言語処理にすぐれているから何か国語も話せる人は左脳が発達しいてる、などと話題にすることはありませんか?英語を話せるようになるのにこんなに苦労するのにどうして日本語は苦労なく(少なくとも日常会話は)子供のころに話せるようになるのでしょうか。バイリンガルで育った脳と日本語だけで育った脳では何か違いがあるのでしょうか。元々の脳が持つ能力だけでなく、どうもそういった言語環境が脳を形成していく重要な鍵となっているようです。記事の紹介は一部抜粋して要約してありますので、ご興味ある方はやや専門的な内容となりますがぜひ記事原文をじっくり読んでみてください。
私たちの脳には環境に順応できる能力があることは、私たちがいかに母国語の音に対してだけ特化できるかを見ても分かります。
生まれながらにして言語の違いを識別できる能力が私たちにはありますが、脳は複数の言語が話された場合最も頻繁に耳にする言語だけを拾うように働きます。母国語の音素にだけ反応する神経の道筋が鍛えられ、その他の聞き慣れない音素を持つ言語に対しては道筋を閉ざしてしまうのです。その点、バイリンガルで育つと複数の言語環境に置かれていることで聞き慣れない言語音に対する道筋が閉ざされることなく窓がずっと開放されているとも言えます。言い換えれば脳が受け止める情報によって自分の置かれている世界でどのように経験していくことになるかが形成されるとも言えます。
多言語の環境下が一般的であると捉えられるべきなのに小児の認知機能を語る際は単独言語の環境下をモデルとして講じられます。最近Behavioral and Brain Functions誌で紹介された180を超える事例を基に多言語環境下にある脳の身体的構造以外に、人間の思考や物事に対する反応のし方にどのように影響するかについて論じられています。
【Scientific Americanより】
記事原文は下記をご覧ください。
How Language Shapes the Brain
https://blogs.scientificamerican.com/observations/how-language-shapes-the-brain/