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Legislation signed to create mental health ‘bill of rights’ for deaf Arkansans
聴覚障害を持つ方と話すときの橋渡しとなるのが手話通訳者です。アメリカの大手通訳会社では手話通訳(American Sign Language)もメニューのひとつとしてしっかり組み込まれています。アメリカアーカンソー州で初めて聴覚障害を持つ方の心のケアを受ける権利に対する法律(a mental health bill of rights for the deaf)が州で採択されたというニュースを目にしました。適切な手話通訳を受けられる権利を唱えた法案のようですが、日本から見るとアメリカ社会の裾野の広さを感じさせるニュースとも言えるのではないでしょうか。
アメリカアーカンソー州では聴覚障害を持つ方が心のケアサービスを受ける際のセラピーやセッションで州から手話通訳者が提供されています。ところが効果的であるとは言えずかえって手話通訳を介したカウンセリングのほうが状況を悪くさせてしまうのではないかという懸念さえあります。
「これは聴覚障害を持つ方の言うことが正確に理解されず間違って伝わることが繰り返されるためです。心のケアの分野では特に難しいのです。」とアーカンソー州議会議員のCharlene Fiteは言います。
アメリカ全土で聴覚障害者で毎年500万人が心のケアを必要であるとされているなかでわずか2%しか適切な手話通訳のサービスを受けられていないと報告されています。
アーカンソー州では恐らく64000人を超える聴覚障者がいるとされています。
そこでFite議員は心のケアのサービス提供者にあるべき姿とのギャップを伝え改善するよう動き始めました。そして聴覚障害を持つ方が適切な心のケアを受けられる権利法を州議会に提出、それは上院議会を通り州で採択されるまでに至ったのです。アメリカでは少なくとも他13州が聴覚障害者に対する十分な心のケアが提供されないことに関する訴訟により同様の動きがありますが、法案が成立実施されるには聴覚障害者向けサービスコーディネーターの確立、聴覚障害者のコミュニティとの信頼ある結びつき、心のケアサービス提供者に対するプロフェッショナルとしての資格認定など多くの課題があります。
「聴覚障害を持つ方は生活していく中でトラウマとなっていることが多くあります。彼らは必要とするサービスを得るために絶えずコミュニケーションにおいて苦難を強いられています。この権利法によって彼らが適切なサービスが受けられより幸せで充実した日常生活を送れるようになることを確信しています。」と彼女は言います。
【KATVより】
記事原文は下記をご覧ください。
Legislation signed to create mental health ‘bill of rights’ for deaf Arkansans
https://katv.com/news/local/legislation-signed-to-create-mental-health-bill-of-rights-for-deaf-arkansans